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タニオカアイ

ウソとホントの間の話

遊びは本気でやると楽しい

子供のころ、お正月にテレビをザッピングしていたら箱根マラソンが中継されていた。暖かい部屋でテレビに映る選手を見て、なんでこの人たちは寒いときに寒い格好で走っているのだろうと思っていた。

大人になって、誘われた勢いでマラソン大会にエントリーした。

それまで知らなかったけれど、通勤ランをしている人は意外と多かった。その世界に入ると見える、というのはこういうことかと思った。まるでKKKのようにあなたもですかという感じだった。せっかくなので、素人が確実に完走したいのですがと相談した。じゃあとりあえず10kmでエントリーしよう、一時間走り続けられるようになろう、方々からアドバイスをもらった。

それまで「走る」ということに興味がなかったので、走り方や目標のスピード、練習のやり方を調べた。メーカーや地域のクラブがあるということもそのとき知ったけれど、結局のところNIKE+をインストールして一人で練習していた。スニーカーさえあれば走れる気がした。今にして思えば、山歩きが趣味で六甲山を縦走した人の話を覚えていたからだったのかもしれない。たぶん新田次郎孤高の人」。

こつこつ練習している話をすると、「真面目か」と言われたので「真面目です」と返しておいた。言った方も真面目に遊んでいる人だった。遊びは本気でやると楽しいということを大人になってから知った。

走っているとき、しんどくなると教科書に載っていた元ランナーの話を思い出した。次の電柱まで走ろう、と考えるらしい。堅い言い方をすれば、達成できる小さな目標を設定し、繰り返し達成していけば、大きな目標を達成することができる、という話。君原健二私の履歴書」内「二時間十九分三十八秒の心(意識)」だったかもしれない。

いま書いていて、子供の頃から大切なことは教えられていたのに驚いた。こういうことがあるから書くのはやめられない。