タニオカアイ

ウソとホントの間の話

親の家の片付けを傍目に見る

祖父母は山奥の大きな家に住んでいた。自分たちができるあらゆる事業に取り組んで、最盛期には沢山の人と物に囲まれていた。手入れされた庭と清々しい景色に包まれていた。

住居だけでも生活スペース以外に座敷や客間、客用寝室、男女別のトイレ、トラックが複数入る車庫と道具や備蓄を置いておく納屋や収納があった。何度も建て増しやリフォームを繰り返したダンジョンで、いわゆる都会の家に住んでいたわたしは探検を楽しんでいた。

祖父が亡くなってしばらくしてから、彼女は市街地にあるサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)へ移ることになった。一人ではこの家の管理をするのが難しくなってきたことが理由のひとつだった。

サ高住はマンションのような雰囲気で、小綺麗で、オール電化や非常ボタンも備え付けられていた。そして、コンパクトだった。

お客様用の、お祝いの、弔いの、使い勝手が悪かった、あの頃はよく使っていた、なんとなく置いておいた、物はすべて、処分された。事業関連の物は売り、貰い手のない物も捨て、生活に必要なものプラスアルファを持って、彼女は引っ越した。

家は、取り壊された。

歴史も価値観も違うから、だからどうだって言うことでもない。ただ、みんなすこしずつ、自分のそこでの思い出とあいまって、彼女の気持ちにも触れた。